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"おしゃれを楽しむことが社会貢献に繋がる" イリアンローヴ×TAKE ACTIONプロジェクト中間報告

2010年7月に実施したイリアンローヴ×TAKE ACTIONプロジェクトが支援する、「ピース・インド・プロジェクト」の現地レポートが届きました。
「イリアンローヴ×TAKE ACTIONプロジェクト」は、イリアンローヴ・カスタマイズニットの収益金の一部が、TAKE ACTION FOUNDATIONを通じて特定非営利活動法人ACEに寄付され、インドのコットン畑で働く子どもたちを支援する「ピース・インド・プロジェクト」に活用されるというもの。
この「ピース・インド・プロジェクト」の2011年の活動がスタートされ、4月にACEのスタッフが現地を訪れましたので、現地の様子をレポートいたします。

<ピース・インド プロジェクト>

■対象地:インド アンドラ・プラデシュ州 マハブブナガル県 ナガルドーディ村
■実施期間:2010年1月18日~2013年3月(約3年間)
■目的:インドのコットン生産地域で、危険な労働から子どもを守り、子どもの就学を徹底させる

<2010年の活動と進捗>

1)子どもの権利や教育の重要性、児童労働の問題について、親や住民の意識を高める.

住民たちに子どもの就学を呼びかけるため、集会や劇や歌などによる文化プログラムを実施したり、家庭訪問をして親を説得するなどの活動を行っています。
村 には就学年齢の子どもが約540人います。そのうち160人の子どもが働いて学校に通っていませんでしたが、約1年間で123人(働いていた子どもの7 割)が労働をやめ、教育を受けられるようになりました。そのうち75人(6割)が村の公立学校へ入学し、48人(4割)がプロジェクトで運営する「ブリッ ジスクール」に通い、勉強しています。

iliannloeb_0715_1.jpgブリッジスクールで勉強する子どもたち



2)「ブリッジスクール」を運営、働いていた子どもの就学を支援

ブリッジスクールは、働いていたために学校に通えなかった子どもたちが、読み書きや計算などの基礎学力を身につけ、公立学校に通えるよう、橋渡しをするた めの非正規の学校です。教科書や学用品、制服、給食などを提供し、経済的に貧しい家庭の子どもも継続して通学できるよう工夫しています。
これまで合計100人の子どもを受け入れ、そのうち38人が公立学校へ編入しました。

iliannloeb_0715_2.jpgブリッジスクールで給食を食べる子どもたち


3)住民、学校、行政機関と連携し、学校の教育環境を改善する
村長や学校の教員などが参加する「学校運営委員会」が定期的に会合を開き、子どもの就学の徹底や、学校施設や教育の質の改善に積極的に取りくむようになりました。これにより、教育局への働きかけを通して、資格のある教員4名が新たに配置されたほか、教室が2つと女子トイレが建設されるなど、公立学校が改善され、子どもたちが継続的に通学するようになりました。新学期からは8年生まで進学できるようになる予定です。

iliannloeb_0715_3.jpg新しくできた学校の女子トイレ


4)住民グループを結成、児童労働をなくし子どもを学校へ通わせるよう働きかける

住民が自ら児童労働をなくし、子どもの就学を徹底できるよう、住民グループ「子ども権利保護フォーラム」が結成されました。メンバーは、村の住民約16人で、畑を訪問して児童労働がないか確認したり、子どもの就学状況をモニタリングしたり、家庭訪問をして子どもが学校へ通えるよう親に呼びかけています。これらの活動により、親は子どもを学校へ通わせることで、勉強する子どもたちの様子をみて、さらに教育に関心を持つようになりました。

iliannloeb_0715_4.jpg「自分も読み書きをしたい」という母親たち


<ケーススタディ>

9歳の女の子、ナンディニちゃんは、以前コットンや米などの親の畑仕事を手伝うため学校を中途退学しました。しかしプロジェクト開始後、ブリッジスクールのことを知り「また勉強したい」と親に話したところ、現地スタッフの説得もあり学べるようになりました。「ブリッジスクールは、友だちと遊んだり勉強できてすべてが好き。もっと勉強して将来は先生になりたい。」と話してくれました。お父さんは、「娘はよく勉強していてうれしいです。話し方が上手になり親を尊敬するようになりました。これからは政府の学校に通わせたいので、スタッフの方と話し合っています。」と言います。

iliannloeb_0715_5.jpgブリッジスクールに通えるようになったナンディニちゃん

6) 課題
村にはまだ児童労働から抜け出せない子どもたちが、約50人いることがわかりました。その約8割が女の子です。この村では、女の子が13~15歳くらいになると親が結婚させ、また相手の家族へ高額の持参金を渡す習慣があります。そのために親が借金をすることで、子どもたちを働かせてしまいます。
またブリッジスクールに通い始めても、親の理解を得られないために、再び労働に戻ってしまう子どもたちがいることが分かり、子どもたちを継続的にフォローすることが重要になっています。
さらに灌漑設備の整っていない村では、乾期には農業ができないため、親が子どもを連れて他の村に出稼ぎに行くケースが後を絶ちません。村を離れている間、子どもたちは学校へ行けないため、村に戻っても退学してしまい、児童労働することになってしまいます。

iliannloeb_0715_6.jpg昨年ブリッジスクールに入学したが、同い年の子がいなくてなじめずに
やめてしまったシャンティちゃん(14歳)

7)2年目の主な活動
1年目の教訓を得て、課題を改善できるよう2011年度は主に以下の活動を行う予定です。
■子どもの就学を呼びかける啓発活動を継続し、住民グループの訓練などを行って、住民自身が児童労働をなくし、子どもが学校へ通い続けられるよう取りくみます。
■住民と行政の連携を通して、学校の教育環境を改善し、子どもが学びやすい環境をつくります。
■女の子の問題を解決するために、問題を話合う場作りや、基礎教育教室の設置、縫製の職業訓練を行い、将来の自立を支援します。
■女性のための養鶏・養羊の技術訓練と自助グループのマネジメントの訓練を行い、女性による収入向上を図ります。
■保健衛生に関する住民の訓練などを行い、おとなが健康で働けるように取りくみます。

iliannloeb_0715_7.jpg「私たちのためのグループを作ろう!」と結束する女の子たち



<プロジェクト対象地の写真


iliannloeb_0715_8.jpgブリッジスクールで勉強する子ども


iliannloeb_0715_9.jpg国語(ヒンディ語)を勉強中のブリッジスクールの子どもたち


iliannloeb_0715_10.jpg給食の前にお祈りをするブリッジスクールの子どもたち


iliannloeb_0715_11.jpg学校運営委員会に活発に参加する公立学校の教員たち


iliannloeb_0715_12.jpg新たに建設中の公立学校の教室


iliannloeb_0715_13.jpg学校の子ども委員会のメンバーたち(1年生~7年生)


iliannloeb_0715_14.jpg住民グループ「子ども権利保護フォーラム」のメンバーたち


iliannloeb_0715_15.jpg女の子たちとのミーティングの様子

2011年7月16日